不条理。

不条理。

  2014/10/24  
     
 

自然の前では人間はなすすべを失う。

いったん自然が猛威を振るえば、人間はひとたまりもない。

 

いくら予知に関する技術が発達し、気象情報などの精度が高まったとしても、最後はじっと過ぎ去るのを、静まるのを待つしかない。

 

先の台風19号では、幸い大きな被害は出なかったようであるが、宇宙からとらえたバカでかい台風の目の画像を見た時は、一体、これから何が起きるのだろうかと、思わず身構えた。

 

 

御嶽山の噴火では、たくさんの方が亡くなられた。

 

御嶽山は事前の情報がなかったことも被害を大きくした。

 

御嶽山の冬は早い。行方不明者の捜索は、来春を待たねばならないという。こんな切ないことがなぜ起きるのだろうか。

 

 

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突然の事故や災害で亡くなられた方のご親族などのコメントを読むと、周囲から慕われていたこんな素敵な方がどうして犠牲になってしまったのかと愕然とする。

 

若者もいる、子どももいる、仲睦まじい夫婦もいる。

 

因果応報などというが、世の不条理に対しては無力であり、そんな言葉では折り合いをつけることはできない。

 

だから、一族にまで因果を広げたり、「前世の宿業」などといって調整を図ろうとするのだろうが、それはそれで、どこかの会ったこともない一族の、または前世の因果までを持ち込まれては、本人はたまったものではない。

 

 

御嶽山では、死の灰が降る中、隣りで寒がる小学5年生の少女にジャンパーを貸し与えた26歳の若者がいた。

 

切迫した状況の中で隣りにいる子どもを思いやる優しさ、勇気に頭が下がる。

また、同じ日本人としてこんな若者がいたことを誇りに思う。

 

二人は共に犠牲になり、帰らぬ人となった。

 

どれだけ無念であったことか。

 

残された者は、二人に恥じないよう踏ん張って生きていくしない。

 

 

世の不条理を恨む。

 

 

 
  林 正寛  
     
     

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