言語道断。

言語道断。

  2014/10/03  
     
 

少し前の話になるが、二次会で寄った店のホステスさんが、客を怒らせて帰らせてしまったとしょげていた。

 

その場で懸命に謝ったというが、それでも気が気じゃなくて、さらに客のスマホにメールして謝ったところ、余計に怒らせてしまったという。

 

「私、心の底から謝っているのに、バカにしているのかって。どうしてなんだろう…」

 

どんなメールしたのか見せてもらって、思わず笑ってしまった。

 

『さっきはどうもすいませんでした。ごめんなさいm(__)m』

 

 

「本気で怒っている客にこのメールはマズいだろう」

 

「どうしてですか?二重に謝っておまけに顔文字まで入れたのに」

 

「お前はバカか。まず“さっきはどうもすいません”っていうのはなんだ」

 

「えっ…?」

 

「それをいうなら“先ほどは誠に申し訳ございません”だろう。そもそも、“すいません”ではなく“すみません”だ」

 

「……」

 

「友だち同士じゃないんだから、ごめんなさいは余計だし、顔文字を使うなんて言語道断だ」

 

「ゴンゴドーダンってなんですか?」

 

「言葉で表せないほどひどいこと、もってのほかということだ」

 

「フーン、なんだかむずかしくてわからない」

 

 

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確かに言葉はむずかしい。

 

言葉使いもそうであるが、相手に自分の気持ちを伝えることはさらにむずかしい。

 

今は特に、メールやラインを使い文字を高速でやり取りする時代である。

 

声音や表情のない文字だけのやり取りは、間違いやすい。

 

だから、顔文字やスタンプは、よくできていると感心する。

 

考案した人は、ノーベル平和賞ものじゃないか。

 

顔文字やスタンプがなければ平和を維持できなかった関係もあるんじゃなかろうか。

 

文字を打つのが面倒な時は、顔文字だけでも通じることだってある。

 

言葉での会話が減り、文字と顔文字で会話する。これって人間は進歩しているのだろうか。

 

なんだか見ようによっては原始時代に逆戻りしているように思えなくもないが。

 

 

どうしてもメールで伝えることの方が多くなる。

 

「ゴメン、今夜は飲んで帰るから」

 

「今夜もですか。いい加減にしてください」

 

この返事はマズい。家庭の平和を維持したければ、できるだけ早く帰った方がイイ。

 

 

「今夜もですか。いい加減にしてください(^^;)」

 

この返事はまず安全とみていいだろう。

 

同じ文字が並べてあっても、顔文字一つで受ける印象はかなり変わる。

 

 

 

「ゴメン、いやぁ~、今夜も誘われちゃってさ~」

 

「毎晩飲んで、酔っ払って…。言語道断です!」

 

― これはかなりマズい…。

 

 

「どうもすいませんm(__)m、ごめんなさいm(__)m」

 

 

 
  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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