転ばぬ先の杖。

転ばぬ先の杖。

  2014/10/08  
     
 

テレビに映し出された大量のセイウチの群れを見て、この星は一体、あと何年もつのだろうかと暗澹たる気持ちになった。

 

米アラスカ州の海岸に上陸した推定3万5000頭のセイウチの群れ。

 

原因は、地球温暖化による氷の溶解ではないかといわれているが、この群れを見れば明らかになんらかの異常が差し迫っていることは容易にわかる。

 

溶ける氷河、干上がる湖、消える森林。

 

気候変動によると思われるものから直接人の手が加えられたものまで、数多くの自然破壊が世界中で進行している。

 

 

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結論からすると、人類はこの星に寄生する愚かな宇宙人にすぎない。

 

昔の宇宙人たちは偉かった。

 

自分たちの取り分と自然の取り分をきちんとわきまえていて、自然と共存していた。

 

しかし、宇宙人たちは産業や技術革新の過程で自分たちが自然界で一番の存在、絶対的な立場にあると見誤り、自ら自然と袂を分かつ。

 

そればかりか、宇宙人たちは愚かな武器を製造し、宇宙人同士で殺し合うことを繰り返してきた。

 

 

人を思いやり愛し、自然を大切にし共存をめざす…。

 

スローガンは立派でも、宇宙人たちは愚かだから守れないし実践できない。

 

そのくせ、経済が不安だ、社会が不安だ、国際情勢が不安だ、食品が不安だ、気候が不安だ、健康が不安だと叫ぶ。

 

だから書店に並ぶのは、健康の本とスキルアップの本、金儲けの本ばかりになる。

 

転び倒れる環境を自分たちがせっせと作りながら、「転ばぬ先の杖」をあれこれ揃え喜ぶ宇宙人たち。

 

その内、甲斐バンドの曲ではないが、空はひび割れ、太陽は燃え尽き、海は枯れ果てて、月は砕け散ってしまうかもしれない。

 

そうなれば、杖などなんの役にも立たないのに。

 

人類は愚かな宇宙人。

 

皆既月食を楽しめるのも今のうちだろう。

 

 

 
  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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