飲むのも仕事。
2013/06/14 | ||
先週の日曜日の夜。 家で食事をしたあと、近所に新しく出店したコンビニに散歩がてら行ってきた。
普段、コンビニは目的の品物を買うだけの「速攻利用」なので、ゆっくり店内を見て回ったのは久しぶりだったが、酒の種類の多さに驚いた。
ビール、チューハイ、洋酒、日本酒、なんでもある。 ワインやカクテルなどの種類も多く、スクリューキャップの日本酒もそのとき初めて見た。 つまみ類もかなりの充実ぶりである。
外での飲酒が減り、「家飲み」が増えているらしい。 「お金がかからない」、「寛げる」、「家族と一緒に過ごせる」というのが、「家飲み」増加の主な理由であるが、そんな理由で大人の男が酒場に背を向けてどうするというのだ。 働き盛りの男が、職場と家とを往復するだけの毎日を送ってはいけない。
一日懸命に働いて、酒場でその疲れをちょっとだけ癒す、息抜きする。一人でもグループでもいい。昼間は言えない上司や会社に対する不満をぶつけるのもいい。
また、店の客の入りはどうか、料理人の腕前はどうか、美味い酒は置いてあるか、従業員の働きぶりはどうか、採算は取れているのか、女将の器量はどうかなど、見たり、訊いたり、考えたりしながら酒を飲むのも、世の中のことや、大人の男としての「うんちく」を知るためにはとても大事なことである。
私の経験では、「うんちく」の吸収は、たいがい「夜」が多い。 少々、高い授業料を払わなければならないこともあるかもしれないが、「夜の学習」は、男の度量というか厚みというか、世の中の仕組みを知り、世間を渡る術などにつながるものである。
女性にとっては、男が言う「飲むのも仕事」は、言い訳にしか聞こえないかもしれないが、職場の人と飲みながらのコミュニケーションはもちろんのこと、大人の男としての「うんちく」を吸収するのも、飲みながらの仕事の一つである。
だから、大人の男にとって「飲むのも仕事」であり、夜は「夜間学習」の大切な時間なのである。
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林 正寛 | ||