不朽の名作。

不朽の名作。

  2013/06/28  
     
 

きゃりーぱみゅぱみゅがテレビで歌っていた。

 

あざやか恋して にんじゃりばんばん

なんだか にんじゃりばんばん

 

― なんのことだか、さっぱりわからない…。

 

これは「音楽」ではなく、新しいジャンルの踊りというか、パフォーマンスとして見ればいいのかもしれない。

なぜ人気があるのかは、なんとなくわかるような気がする。

普段は生きるに暮らすに忙しい。悩ましいことも実に多い。

そんな中で、きゃりーぱみゅぱみゅが歌い踊る姿を見ていると、癒されたような気分になる。現実逃避にもなる。

 

一方、感動的な曲もいくつもあるが、ちょっとドラマ仕立て過ぎるというか、今はどうしても、プロモーションが先行してしまうので、物語的な見方になってしまい、どーも「曲そのもの」が心に染みてこない。

 

私の若い頃は、吉田拓郎、かぐや姫、風、イルカ、井上陽水、山崎ハコ、ガロ、リリィ、グレープ、紙ふうせん、チューリップ…。

 

今と比べるとだいぶ重たいが、当時、彼らはテレビには登場しない。聴こえてくるのはラジオだけなので、余計に情緒があるというか、臨場感があって、曲がジワジワ染みてくる。

 

早く大人になりたくて、でもなりたくなくて、恋愛がしたくて、でも別れることにも憧れて、といった軌道修正が難しい世界へ入り込んでしまう。

 

彼女と四畳半一間のアパートで同棲し、赤い手ぬぐいをマフラーにして銭湯に行く。そして、22才で別れ、彼女が去ったホームに残り、落ちては解ける雪を見ると・・・。

 

今どき、赤い手ぬぐいをマフラーにして銭湯に行ってるカップルがいたら、ちょっとアブナイけれど、当時はそんな情景がすんなりと受け入れられる時代だった。

 

レコードを買うお金がなかったので、ラジオから流れる曲を録音するしか手元に曲を残す方法はなかったが、いつ、その曲が流されるのかはわからない。その時は突然やってくる。だから、DJの声が入ってしまったり、曲の始めが切れてしまったり、ときには、カセットテープが切れてしまい最後まで録音できなかったこともあった。

 

そうやって必死に残した曲を、今度はテープが擦り切れるほど何度も聴いてはコピーして、ギターで弾いて歌った。 

 

とてもありふれた言葉だから 笑ってごまかしたけど

心の中でもう一度言おう 世界で一番ステキだと

 

― いつ聴いてもイイナ…。今も心に染みる。

 

  

 
  林 正寛  
     
     

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