税の支払い。
2013/06/24 | ||
先月、税務調査を受けた。 税務署のルーティンワークの中で何年かごとに発生する調査である。
調査は特に怖くはないが、痛くない腹を探られるようで気持ちのいいものではない。 うちの会社のような零細企業から、これ以上、税金を絞り取らなくてもいいのに、“コイツはなにか隠してるんじゃないか”、と税務署の職員は必死である。
法人税はもとより、法人府民税、法人市民税、源泉徴収税、消費税、固定資産税、不動産取得税、登録免許税、印紙税…。税金まみれの毎日である。
事業を行い、「儲け」を捻出するというのは、よほど大変なことである。トントンでは手元資金は増えず、事業は継続しない。
ようやく利益が出たと思ったら、“はいっ、法人税”である。消費税負担も大きい。時々、なんのために仕事をしているのかわからなくなるときがある。
現職においては、案件に利害関係者として行政が登場することがあり、不動産の売却代金の配分などを巡り当局としょっちゅう交渉するが、税の徴収に関しては、多くの場合、社会通念上のルールを無視して容赦がない。
納税者に対する配慮がなく、そのため、納税者が立ち直るせっかくの機会を奪われてしまうこともある。
日本国民である以上、税の支払いは義務であり、たとえ破産をしたとしても「税」の支払いを免れることはない。
だからこそ、課税する側は闇雲に「課税だ、徴収だ」では、本来の「公共」の役割から逸脱してしまい、仮にも税の支払いのために、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を脅かされるようでは、本末転倒となりかねない。
「公共」の役割として、誰もが理解できる説明、丁寧なフォロー、そしてときには救済などの措置も必要ではないだろうか。
大切なのはバランス感覚である。
役人に求めても仕方がないか…。
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林 正寛 | ||