ナビゲーション。
2013/06/27 | ||
全日本柔道連盟の上村さんは、なかなかしぶとい。 現役時代もこのしぶとさでメダルを獲得したものか。 地位に固執する様子は実にMITTOMONAI。 確か、「一定の目処」とか「近いうちに」とか言って、なかなか辞任しなかった総理大臣もいたなぁ…。
大人としてのレベルが下がったのか、国家そのもののレベルが下がったのかは分からないが、今の大人たちは子供の手本にはおよそならない。 不祥事、暴力、嘘、隠ぺい、虐待、ストーカー行為など、ちょっと多すぎる。
今、子供の世界で起こっている「いじめ問題」も、当然、大人(つまり社会)に起因するだろう。 大人がもっと「ちゃんとしなければ」、いくら法律をつくったところで「いじめ」はなくならない。
しかし、一方で、今の仕事を通して世の中を見ていると、大人が「ちゃんと」「普通に」暮らすことの難しさも強烈に感じる。
インターネットがコミュニケーションの基盤になり、スマートフォンの普及で世界地図を色分けするような壁が無くなった反面、また別の社会の断層ができてしまっている。 便利で豊かになった社会の中で、ポツンと孤立したように暮らす人たち、家族をたくさん見てきた。
「あなたに早く会いたかった。会えてよかった」
と初老の夫婦に手を握られて涙を流されたことがある。
私のような出来損ないにもったいないことであるが、この夫婦は、あきらかに方向性を失っていた。 そんな、社会と融合できずに暮らす大人が大勢いる。責めることはできない…。
子育て、教育、就労、社会保障、介護。少しでも気を抜けば、ルートから外れてしまう怖さがある。 道に迷ったことさえも気が付かないのかもしれない。
今年買い替えたクルマのナビゲーションの出来がいい。
カーナビゲーションは、便利で豊かになった例の一つで、目的地へスムーズに到着するための時間短縮効果は絶大である。
「この先、700mで右方向、その先、300mで左方向です」 「渋滞情報が変わりました。新しいルート案内に切り替えます」 「しばらく道なりです」
しかし、人生のナビゲーションはない…。
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林 正寛 | ||