緊張感。

緊張感。

  2014/06/14  
     
 

姫路市で、DVなどの被害者のため交付制限がある女性の住民票の写しを、加害者の元夫に交付するミスがあった。

 

元夫は、写しの取得後女性宅を訪問している。

 

女性は知人宅に避難していて被害はなかったようであるが、職員の緊張感に欠けたつまらんミスである。

 

先月大阪市は、56人の職員が他人の戸籍を興味本位で勝手に閲覧していたことを発表している。

閲覧された人の数は114人にも上っている。

 

緊張感のカケラもない子供のお遊びのような事件である。

 

愛知では、45才の県警の警部がストーカー規制法違反で送検された。

 

たまたま通りすがりの街で見かけた女性を気に入り、2年8ヶ月もの間、付きまとい、「好きです」「今日も遅くまでお疲れ様」と声を掛けたり、「本当にかわいいですね」と書いたメモを見せたりしていた。

本人曰く「一目惚れ」だそうだ。

 

なにが「お疲れ様」だ。馬鹿じゃなかろうか。この人も緊張感がなさすぎでしょ。

 

高島市が、基準を超えるダイオキシンが検出された煤塵を、数値を隠蔽し7年に渡って神戸市沖の埋め立て処分場に搬入していた事件などは、緊張感の有無を通り越して、悪質性が常態化してしまっている。

 

 

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人間は適応能力に優れた生き物で、多少の環境の変化にもすぐに慣れることができる。

 

反面、不幸な状況だとか惨めな境遇にも適応能力を発揮してしまい、次第に慣れ、やがてハングリー精神を失い、そして這い上がれなくなってしまう。

 

一度緩めてしまった緊張感や頭のネジは、そう簡単には締まらない。

 

ましてや、本人がいくら努力したとしても置かれた環境が緩ければ、緩いなりの色に染まってしまうものである。

 

 

うちの会社のような零細企業の場合、たった一度、緊張感に欠ける行動をとっただけで社会的信頼を失うことになる。実にオソロシイ。

 

そこで、私はせめてもの策を施した。究極の策、背に腹は代えられぬ策である。

 

それは何か。

 

私の会社の経理担当の席には家人が座っている。

 

もう何年にもなるが、この緊張感は半端ない。

 

本来、家に帰ればいる家人が会社にもいるわけだ。

 

ちょっと想像しただけでもわかるというものだ。この緊張感がどんなものであるか。

 

ここまでしなければ緊張感が持続しないというのも情けない話であるが、通りすがりの女性に一目惚れして声を掛ける愚か者に比べればまだマシというものだ。

 

 

「あなた、じゃあ、今日はこれで帰りますよ」

 

「はい、今日もお疲れ様でしたぁ!」

 

 

 
  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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