昭和な人。
2014/06/28 | ||
あるメガバンクの人に聞いたことがある。
内部では、統合前の旧〇〇銀行と旧△△銀行との間の、やり方や文化の違いが障壁となり、必ずしも人間関係は上手くいっていないと。
銀行に限った話では無いが、企業の統合や合併後に入社した社員が、支店長や役員などの要職に就くまでは、真の一企業として統制は取れないという話も聞いたことがある。
企業同士の統合や合併は、経済合理性や成長戦略の面では奏功しても、人同士の融合となるとそう簡単にはいかないようだ。
それだけ人は、育った環境や文化にこだわりを強く持ち、または知らずと影響されているといえる。
企業でさえそうであるのに、日本全体を考えた場合、日本が歩んできた歴史や文化、風習、環境などをすっかり変えてしまうには、よほどの長い年月が必要であり、場合によっては法的な拘束なども必要かもしれない。
都議におけるヤジの問題。
「ヤジの主」は、私の想像していたとおりの年代の人だった。
もちろん、年を取るごとに厚かましくなるわけで、それからしても若手ではないだろうと思っていたが…。
あの場で、あのような下品なヤジを飛ばせるのは、いくら政治家でもそうはいないだろうから、その人固有の人格による。スズキ氏は許されない。
ただ、世の中の40代以降の世代は(もしかすると30代も入るかもしれないが)、セクハラやパワハラが日常、隣り合せにあり、学生の頃は体罰も当たり前だった。
女性社員にお茶を入れてもらうことや後輩の失敗に対して怒鳴りつけること、悪さをして教師に竹刀で叩かれることなどに違和感なく育ってきた「昭和な人たち」である。
今ではもちろん、それが悪いことだとはわかっているが、カラダとココロに沁みこんだ文化や風習は、どこかに必ず小さな芽として残っているはずである。
スズキ氏のヤジは、その芽の表れだろう。
それにしても、それをストレートにヤジで表現するとは、バカじゃなかろうか。
議員バッチをする資格は無い。
男女が分け隔てなく働き、暮らせる社会になるためには、意識を強く持ち、推進していくことは当然であるが、そんな文化が馴染むだけの、「歴史」と言われるくらいの「時の経過」が必要である。
女性の社会進出がニュースになっているようでは、まだまだ。
「昭和」がもっと遠くならなければならない。
|
||
林 正寛 | ||