軽量で薄型。

軽量で薄型。

  2014/06/03  
     
 

田中マー君の何がいいかといえば、いつも淡々としていて、ピンチの時でさえ静かに燃えるといった雰囲気の中で白星を重ねていること。

 

ここまで11試合を投げて8勝1敗。これほどまでの成績を残すとは思っていなかった。

 

今のところ、大リーグへ挑戦するに当たり物議を醸していた闘志あふれる雄叫びもガッツポーズもない。

 

大リーグでは、相手への侮辱行為をなりかねない雄叫びやガッツポーズは慎まなければならないという暗黙のルールがある。

 

それが相手に対する挑発や侮辱行為でなければ、嬉しさの表現として手を叩いたり、ガッツポーズをすることは構わないが、打たれた投手や打ち取られた打者によってはその行為がどのように映るかわからない。

 

だから相手の立場を尊重するためにも派手なパフォーマンスは避けなければならない。

 

 

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この前、新聞にいい話が載っていた。

 

87年、88年にプロ野球・近鉄球団に在籍していたベンジャミン・オグリビーの話。

 

彼は、日生球場でのロッテ戦で牛島投手からサヨナラホームランを放った。いつもは静かな男がこの時ばかりはベースを回りながらガッツポーズをした。

 

しかし彼は試合後、「思わず興奮してしまった。牛島に謝りたい」と反省のコメントを残したという。

 

また、彼は普段、ホームランを打っても大急ぎでベースを回っていた。

 

「投手にとってもっともつらい時間だから早くしないと」

 

それほど相手のプライドを気にかけていたということだ。

 

勝負の世界に生きる者同士、相手の立場を尊重しながら、そのなかで最高のパフォーマンスを発揮する。

 

これこそが真のスポーツマンシップであり、人としての品格なのだろう。

 

 

最近、実力をつけだしたある若手成長株の選手が、勝負を決めるホームランを打った。

 

ベースを回りながら拳を何度も突き上げ、ピョンピョン飛び跳ねる。おまけにその首元からは金色のネックレスがジャラジャラと出たり、入ったり。

 

― みっともないったらありゃしない。君にはプライドはないのか。

 

今、流行の軽量で薄型!? プライドまで…。そりゃ、あんまりだ。

 

 

はしゃぎ過ぎてはいけない。

 

男は黙って勝負しろ。

 

 

 
  林 正寛  
     
     

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