勝てないわけがない。
2014/06/21 | ||
「勝てんなぁ」
「本来の日本らしいサッカーができてないよな」
電車の中で二人のサラリーマンが声を落として話をしていた。
― 本来の日本らしいサッカーってなんだ…。
監督がイタリア人なのに日本らしいサッカー、イタリア人監督率いる日本代表…!?
もう、これはよそう。サポーターに殴られる。
「勝つことしか考えていない、ベスト8も狙える」で、初戦は逆転負け。
「勝つしかない」で臨んだ2戦目は0-0の引き分け。
そりゃあ、勝てないでしょ、あのサッカーでは。
私はサッカーに興味は無いし、日本の世界ランクも知らない。普段、Jリーグも見ない。
もちろん、日本が勝つのは嬉しいから、気が向けばテレビで試合は見るし、見れば応援だってする。
でも、素人の私が見たって日本は勝てないと思う。
なぜか。
それは、攻撃しないから。仕掛けないから勝てない。当たり前だけど。
これは今に始まったことではないが、日本のサッカーはパス回しの時間が長すぎる。
パスして、回して、つないで、サイドからチョロンと中に入れて、セーブされて、あっという間に逆襲されるのを真っ青になって防いで、GKの川島が怒って、そんでまた、パスして、回して、チョロン…。
見ていてまったくオモシロクナイ。
負けてもいいから、もっともっと攻めて、攻め立ててほしい。
「素人のお前に何がわかる」
素人がいい加減なこと言ってサポーターから怒られるかもしれないが、元々、プロスポーツというのは、大衆へ娯楽を提供する興行、つまりショービジネスである。
お金を取る以上、もっと観客に魅せなきゃウソでしょ。パスを見に来ているわけじゃないからね。
「負けたら意味がないだろう」
勝ち負けに意味を求めたらスポーツが成り立たないでしょ。
なにが「日本らしいサッカー」かは知らないが、選手も目に見えない「日本らしいサッカー」の呪縛に縛られてるんじゃないの。
海外で活躍する日本の強者たちが、妙にこじんまりとお利口さんに見えるけど…。
予選突破とか敗退とか、そんなケチなことはどうでもいいじゃないか。
「日本らしい」ではなく「日本の」サッカーを、世界が度肝を抜くような、世界に誇る日本のサッカーを世界中の人々に魅せてやれ。
ホンダ、カガワ、ウチダ、オカザキ、ナガトモ、ハセベ、エンドウ、オオクボ、カワシマ…。
勝てないわけがない。
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林 正寛 | ||