必要以上。
2014/04/24 | ||
新入社員の社内研修が終わり、今度は外回り営業の実務が始まってきた。
無鉄砲な若者が飛び込んでくる。
会社名だけを名乗り、何の商品説明も勧誘もないまま、ただ名刺交換だけさせて欲しいという。
「いきなり飛び込んできた君になぜ私が名刺を渡さなきゃならんのかわからない」
「名刺集めのノルマになぜ、私が参加しなければならないのか」
「そもそも君の会社の商品を買うとして、うちの会社にどんなメリットがあるの」
冷たいと思われるかもしれないが、私にこんな風に言われた営業マンがその後成長し、再び営業に来ないものかと思ったりもするが、そんなことは過去、一度もない。
うちの会社にとって必要なことであればいくらでも時間を空けるが、みなさん、肝心なところが抜けている。
電話でアポを取ろうとする営業マンも同じだ。
「社長様は、普段、いつも、何時ごろでしたら会社におられますか」
変な日本語だなと思いながら、アポを取ることだけが目的になってしまっていることにガッカリさせられる。
おまけに、アポを断ると私が切るよりも先に「ガチャリ」と電話を切る。
電話をかけてきて先に切るとは…。
電話のマナーからしてなっていない。
必要のないものに時間とお金をかけてられない。
日立製作所が中国にある高層ビルに世界最速のエレベーターを納入することをニュースでやっていた。エレベーターは分速1,200m(時速72km)らしい。
その速度、必要だろうか。
今後のエレベーター納入に関する商業上の意図はいろいろとあるのだろうが、利用する側にとって必要なことなのか。
エレベーターは必要である。ただ、それをそこまで高速化することは「必要以上」ではなかろうか。「必要以上」は、必要がないということになる。
時速500km、大阪東京間1時間7分。そこまで高速のリニアは本当に必要だろうか。
月や火星にまで行って、成分や気候、水の有無などを調べているが、何かの役に立つのだろうか。
「将来、人類が利用できるか、その可能性の調査のためでしょう」
「それが必要以上だと思わないかね」
「回ってない鮨屋に行ってみたい」と長男。
「自分の力で行けるようになるまでそれで十分だ」
子供に必要以上のものを与えるとロクな大人にならないから。
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林 正寛 | ||