親は親たらずとも…。。
2014/04/07 | ||
長男の中学の入学式に参列してきた。
長女が通っていた学校なのである程度の勝手は知っているし、長女がお世話になった担任の先生もまだいらっしゃった。 しかしそこはやはり中学校。小学校とはガラリと変わり、「オトナ」の雰囲気が漂う。
職員の方々の表情も小学校に比べるとやや硬く、保護者もそれなりに年を取り、華やかというより厳かといったところか。
家人と二人、式場となっている体育館の椅子に座り、子供たちが入場してくるのを待っている間、一人の若い女性の先生が目に入った。
「あの女性の先生は、かなり若くて可愛らしいな。あれじゃあ、他の男性の先生は放っておかないだろう」
「あなたどこ見てるの…!? 案外、うちの子の担任かもしれないわよ」
「それはないだろう。周りから浮くほど若いじゃないか」
ところが、その若い女性の先生が長男のクラスの担任だった。 聞けば今回初めて担任を持つらしい。 背丈は高くなく、長男程度の身長の子に囲まれると姿が見えなくなる。 初々しさは新入生に匹敵する。
「あら、あなた良かったわね」
「なんで私が喜ばなきゃならないんだ」
「家庭訪問の日は、会社をお休みされますか」
「……」
中学は、心とカラダがアンバランスしながらもっとも成長する時期である。 若くて可愛らしいだけで中学の担任が立派に務まるようなら誰も苦労はしない。
こんな心を持つ人に育って欲しいと、誰かが式辞で述べていた。
「はい」と言える素直な心。 「ありがとう」と言える感謝の心。 「すみません」と言える反省の心。 「させていただきます」と言える謙虚な心。 「どうぞ」と言える譲る心。
これが一番言えないのが、この時期の子供である。 しかも、謎の多い、理不尽で満ちたこの世の中にあって、この心を子供に教え込むのは至難の業に近い。
私など、どこまで子供の模範となり得るか、いつまでたってもまったく自信が無い。
「親は親たらずとも子は子たれ」だナ…。
でっかい心の男に育って欲しい。
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林 正寛 | ||