バイ菌。

バイ菌。

  2014/05/15  
     
 

 

 

先日、友人がブログで最近の過度な清潔志向に警鐘を鳴らしていた。

 

近頃は、なんでも抗菌、除菌、殺菌ときれいにしすぎるため、今まで共存してきた菌がいなくなり、人間は免疫獲得の機会を逃し、免疫力を低下させてしまっている可能性があるという。

 

まったく同感であるが、しかし、いつからこうなってしまったのだろうか。

 

 

1996年に学校給食に起因する食中毒が岡山県と大阪府で報告され、児童数名が亡くなった。

犯人は腸管出血性大腸菌O157。

 

 

今でこそO157はメジャーだが、当時はほとんど馴染みがなく、突如現れた身近に潜む目に見えない敵に世間は恐れを抱いた。

 

このころから徹底した除菌、殺菌が叫ばれるようになったような気がするが、また、2002年から2003年に流行し全世界で775人の死者を出した新型感染症のSARS(サーズ)も除菌、殺菌に拍車をかけた。

 

 

このときは、マスクが品薄状態になるなどちょっとしたパニックで、殺人ウイルスによる人類滅亡が頭をよぎった。

 

 

 

 

病原体と人類との戦いの歴史は古いが、そもそも人間に備わっている免疫の力では到底及ばない。

 

近年では、ウイルスに対し、タミフルだのリレンザだの開発しながらしのいできているが、たしか先の冬のインフルエンザでは、タミフルに耐性をもったものが流行した。

 

鳥インフルエンザにしても人から人への感染報告も増えてきている。

 

ポリオウィルスも最近、復活の兆しをみせており、アフリカでは感染が拡大している。

 

 

 

人類のかなり前を走る病原体に対して打って出るような有効手段はなく、今のところ私たちは、病原体から身を守るためには、堀を深く、塀を高くして、籠城する作戦しかない。

 

しかし、いずれは、兵糧(免疫力)が尽き、みな死に絶えるといった構図かもしれない。

 

 

 

 

ただ、忘れてはならないのは、先に地球を占有したのは病原体たちである。

病原体たちにすれば、人間こそが後から侵入してきたバイ菌であり、先にやっつけられるのは、私たち人間かも知れない。

 

 

 

 

 

人間こそが、バイ菌。

 

なんか、わかる・・・。

 

 

 

 

 

 

 
  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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