バラ色の人生。
2014/05/08 | ||
会社にいるときは、ほとんどパソコンを開いているし、スマホは、仕事でもプライベートでも手放せない。
外に出れば、花粉やPM2.5が容赦なく目に飛び込んでくる。
老眼の影響もあるかもしれないが、どうもこのごろは目が疲れたり、かすんだりすることが多い。
昨年は一度、会社の近所にある眼科に行った。
院長以下、全員が女性で、とても感じが良かったので、もう一度行こうかとも思ったが、その後の経過などの状況説明するのが面倒なので、取り敢えず、眼科のすぐ近くにあるドラッグストアで目薬を買うことにした。
しかし、それにしても種類が多い。
値段も200円くらいのものから1,600円くらいのものまである。
白衣を着た若い女性店員に声を掛けた。
「すみませーん。目の疲れやかすみにはどれがいいですか」
「ああ、この辺ですけど」
― 面倒臭かったらこの仕事、辞めたらいいのに…。
「いや、それは見ればわかる。それが見えないほどかすんでないから。この値段の違いは何?」
「目薬に入っている成分が多いか少ないかですけど」
― 最後に「けど」をつけるのって感じ悪くない?
「たとえば?」
「これには、かゆみを抑える成分や目に栄養を与える成分が入ってますが、けど、こっちには入っていません」
― 君の喋りには必ず「けど」が入ってます「けど」…。
「この200円とか300円のものではあまり効果はないの?」
「なことないです。すっきり感はこっちの方があったりしますけど」
― なんか変な日本語だな…。
「君だったらどれ選ぶの?」
「あ、私、目ダイジョウブですしぃ」
「そうじゃなくて、お勧めを聞いてるんだけど」
「ギャハハハハァー!そうですねぇ、これですかね」
「それは高すぎないか」
「じゃあ、このへんはどうですか」
「そうだな、それにしようかな」
「え、いいんですか。ありがとうございます」
― なんか新地でボトルを入れてるみたいな会話だナ…。
目薬をさせば、その時はやや回復したとしても、酷使して50年。根本的な改善はまず無理だろう。
しかも、目に良くなくても見ないわけにはいかない「現実」もたくさんある。
年と共にドンドンとこの重みが増してくるが、目をそらすことはできない。しっかり見つめて、受け入れていかなければならない。
目が疲れるわけだ。
人生がバラ色に見えるような目薬はないものか。
たとえ、一瞬でもいいから…。
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林 正寛 | ||