まさかとは思うが…。
2014/07/01 | ||
例えば…。
「お父さん、僕にはこの人がいるから結婚はしなくてもいいや」
「この人って、お前、ロボットじゃないか」
「ご飯も作ってくれるし、掃除も洗濯もしてくれるから」
「だけど、ロボットだぞ」
「言うことをちゃんと聞いてくれるし…」
「でも、ロボットだけど」
「人間の女性とは、とても上手く生活していく自信がないよ」
「そうか、じゃあ仕方あるまい」
「うん、ありがとう、お父さん」
まさかとは思うが…。
「お父さん、僕がこの前紹介した彼女のことなんだけど」
「なんだ、あらたまって」
「今まで気が付かなかったんだけど、実はロボットだったんだよ」
「えっ、そうなの!? 最近、同じようなケースが増えているようだけど。で、どうするんだ」
「ロボットだってわかったとしても、僕の彼女を思う気持ちに変わりはないよ」
「そうか、お前は偉いな」
「来週にでも市役所に行って婚姻届を提出しようかと思っているんだ」
「彼女、喜ぶぞ! ハッハッハッハッァー」
ありえないことだと信じたいけど…。
「お客様、今日はどのようなロボットをお探しでしょうか」
「結婚を前提に考えたいんですけど」
「では、こちらはいかがでしょうか。なかなかのイケメンだと思いますが」
「私、人間型は苦手なの。努力はしたんだけど、どうしても好きになれなくて…」
「そうでしたか。では、こちらのドラえもん型かキテレツ大百科のコロ助型はいかがでしょうか」
「なんだか間が抜けていて嫌だわ」
「そうすると、定番の人気商品ですが、スターウォーズのR2-D2型はいかがでしょうか」
「そうね、それいただくわ」
「相性が合うといいでね。さぁ、お前からも挨拶しなさい」
「ヨロシクオネガイシマス」
この前、テレビに映っていた綺麗なお姉さんが目に留まり、あれっ?誰だろう? と思ったらロボットだった。
おかしな時代が来なければいいけど…。
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林 正寛 | ||