余計なお世話Ⅱ

余計なお世話Ⅱ。

  2014/07/16  
     
 

健康診断は必要だとわかっていても、毎回、気が重い。

 

普段、寄り道をせずに帰宅するときは、だいたい午後9時、10時頃から寝るまでの間、ゆっくりと飲み食いするのが習慣なのだが、健康診断前夜は、午後9時以降の飲食が禁止される。

 

昨日は、午後7時過ぎに会社を出たけれど、まだ外は明るい。

 

この明るいうちに帰路につくという行動パターンが私にはないので、このあたりからして調子が狂うわけだ。

 

それで、食事を済ませた後、午後9時以降、どうやって過ごしたらいいのかわからない。

 

何をやっても手につかない感じで、いかに「酒を飲みながら」が習慣化しているか思い知らされる。

 

結局、11時前には寝てしまった。

 

 

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今朝はコップ一杯の水で我慢して、会社の近所のクリニックへ行ってきた。

 

― きゃりーぱみゅぱみゅみたいな看護士さんがいたらいいのになぁ…。

 

 

「ハヤシさん、早くそこに名前を書いて! はい、これ、ロッカーの鍵ね!」

 

― いい加減、くだらない妄想はやめにしないとナ…。

 

 

「上、右、左…。わかりません」

 

「ハヤシさん、手は動かさなくていいですよ」

 

― 以前、眼科でも注意されたな。子供の頃から治らんなぁ。

 

 

 

「あれっ、ハヤシさん、聞こえませんか?」

 

「聞こえてますけど、どうするんでしたっけ」

 

「聞こえたらそのボタンを押すの。毎年やってますよね」

 

― これでも、つらいことが多いんだ。もう少し優しくしてくれないか。

 

 

「あら、メタボの基準を下回ってるわ。でも、りっぱな予備群ね。ハヤシさんはもっと運動をしなきゃ。基準を下回っていても、ぶよぶよのカラダじゃぁねぇ~」

 

― 余計なお世話だ。自分のことを棚に上げてよく言えたもんだ。

 

 

「はい、まずこれを飲んでね。ゲップをしてはダメですよ」

 

「ウッ、ゲップゥ~」

 

「はい、もう一度飲みましょう」

 

「……」

 

「残りのバリウムを全部飲んでくださーい、一気にね」

 

「……」

 

「では、カラダを右に傾けて…。それ、左ですよ」

 

「……」

 

「はい、そのまま左から回ってうつ伏せになりましょう。それは仰向けでしょ、正面向いちゃいましたね」

 

― ちっくしょー、苦しくて…、なんも言えねぇ。

 

 

毎日オジサンを相手にしなきゃならんクリニック側も大変だとは思うが、もう少し、「優しさ」とか「笑い」とかはないものか。

 

 

 

健康診断の結果を思うと、また、気が重い。

 

 

 

早くバリウム、出さなきゃ…。

 

 

 
  林 正寛  
     
     

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