心なりけり。
2014/07/12 | ||
心理学博士のダニエル・ゴールマンが1995年に出版し、全世界でベストセラーになった「EQ こころの知能指数」について、コンサルタント会社の永田稔氏の解説が新聞に掲載されていた。
本書の根底にある問題意識は、「一体、なぜこれほど頭の良い人が不合理と思える行動をとるのか」、「学歴や頭の良さ(IQの高さ)は、ビジネスや人生の成功を約束するのか」というものである。
この問いに対し本書では、「人生に大きな差をつけるのは、IQよりも感情をコントロールする自制心や他者に共感し強調する能力である」としている。
この自制心と共感力がEQと呼ばれる能力であり、仕事や家庭など社会生活を健全に営む上で必須のアイテムだとしている。
今週、ブログに掲載した「偏差値とは。」では、日本の学生は、試験で高い点を取るのが上手い優等生であり、平均点こそ高いものの、独自の発想力や思考力に乏しいため、一定以上の難局を乗り切ることはできないと記載した。
そこで、偏差値の高い学歴をお持ちの号泣県議さんを例えに出し、彼は、主体的に考え行動する力が不足しているため、難局を乗り切れず、プッツンしたとも記載した。
さらにこのEQの件。彼は感情を自制して他社に共感する能力が極端に欠乏しているのではなかろうか。
そう考えると、IQの高い彼の奇怪な行動が首肯できる。
号泣県議さんは、ついに説明責任を果たせないまま辞職し、刑事告発を受けるまでの事態に発展したが、心理学を考えるうえで彼ほど貴重なモデルはいないのではないか。
やはり「逸材」か…。
しかしだ。そもそも人間は感情の生き物である。感情をコントロールする自制心や他者に共感し強調する能力を備えた人物など、そういるものではない。
そのうえIQも高い人となると希少ものだろう。
頭はいいが行動がヘン。人にやさしくて勇敢だけどOBAKA。
このバランスの悪さが人間じゃないかナ。
完璧な人間などいようはずがない。
それに、なにをもってビジネスや人生を成功とするのか。
おもしろきことも無き世をおもしろく すみなすものは心なりけり (高杉晋作&野村望東尼)
― だろうナ…。
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林 正寛 | ||