偏差値とは。
2014/07/08 | ||
ワールド・ユニバーシティ・ランキング2013。
1位は、マサチューセッツ工科大学(米)、2位は、ハーバード大学(米)、3位ケンブリッジ大学(英)と続く。
日本の大学は、32位にようやく東京大学が登場し、京都大学は35位だった。
この記事を見て、2012年に日本経済新聞社が主要企業の人事トップに「人材育成の取り組みで注目する大学」を聞いたところ、35社が秋田県の公立大学、国際教養大学(AIU)と回答し、断トツのトップであったことをブログに掲載したことを思い出した。
2位が東京大学で13社、3位は、立命館アジア太平洋大学(APU)で10社だった。
AIUは、ほぼすべての授業を英語で行い、学生に1年間の海外留学と国内の寮で外国人留学生との共同生活を義務付けている。APUは、外国人留学生が学生の約半分を占める。
二つの大学に共通するのは、国際性や教養を備えた人材育成に力を入れている点である。
日本の大学の国際評価は低い。
いまだに英語が苦手な日本人の国際性の不足と、そもそも欧米との教育に対する物差しの違いなので、国際評価の上位に日本の大学が入り込むことは難しいだろう。
在学中からリアルな社会と接し、ビジネスがどう動いていて、世界がどうつながっているのか、自分には何が必要なのかを学び考える欧米に対し、日本は覚えることを重点においた偏差値重視である。
日本の学生は、試験で高い点を取るのが上手いし、何でもソツなくこなせるバランス型の優等生であり、平均点こそ高いが、独自の発想力や思考力に乏しいため、一定以上の難局を乗り切ることはできない。
例えは悪いが、温泉が好きなどこぞの号泣県議さんも、偏差値の高い学歴をお持ちであるが、そもそも主体的に考え行動する力が不足しているのだろう。難局を乗り切ろうとしたができず、プッツンした。
「有名大学卒業」だけのキャリアでは、社会で通用しないし、世界と戦えないといわれて久しい。
しかし、企業側はというと、国際性と教養を備えた人材の育成を大学に求めながらも、実際に「有名大学卒業」にこだわらない、自由な発想の人材を受け入れるだけの風土を持つ企業は少ない。 人材の見極めをする前の早い段階で、平均点の高い学生に採用内定を出しているのが実情である。
偏差値に基づく学歴に依存し過ぎた社会の見直しというが、「船頭多くして船山に上る」になっていないか。
理想と現実に間に横たわる溝は大きい。
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林 正寛 | ||