コンビニ。
2014/07/19 | ||
健康診断のバリウム検査が終わるとすぐに下剤をもらい、その場で服用する。
バリウムが腸内で固まらないように船出を促すためだ。
船出を翌日に持ち越してしまうと、かなり強固な状態になってしまい、相当苦労するので、せっせと水を飲み、お昼にはざる蕎麦を食べた(←効果はわからないけれど、なんとなく良さそうだから)。
かといって、このことばかりにかかわっていられないので、午後から予定を入れていた現場確認にクルマで向かった。
現場は、高速道路30分、その後、地道20分程度を走ったところにあるが、クルマに揺られたせいか、高速を走り出して10分ほどでお腹が痛くなってきた。
― うー、高速を出るまで持ちこたえられるか…。
高速を出て、地道に入ったすぐのところにコンビニがあることはわかっている。
大波、小波、小康状態を繰り返しながら、徐々にその間隔が短くなり、次に小康状態がなくなり、小波が中波に変わる。
お腹に神経が集中しないように、ラジオのボリュームを上げたり、歌を歌って紛らわしたり…。
やがて最後の時をむかえ、巨大なビッグウェーブが幾重にも重なってやってきた時、高速を降り、地道に入ったところで信号に引っ掛かった。
足をカタカタ、ハンドルをバンバン叩きながら雄叫びを上げていると、隣りのクルマの助手席に座っているオバサンに不審な目で見られた。
「あらやだ、この人、脱法ハーブを吸ってるんじゃないの。警察に電話しようかしら」
― うるせー、このやろう…。
「太陽にほえろ」並みにコンビニの駐車場に急停車し、店に飛び込んだ。
コンビニ強盗と思ったのか、バイトの男の子は驚いた表情をしていたが、構わずトイレに駆け込んだ。もう、「トイレを貸してくれ」の声も出せない。
― あ~~~、いやー、やれやれ。
それにしても危なかった。地獄から天国に舞い戻ったような気分だ。
ここのコンビニがなかったら一体、どうなっていたのだろうか。想像したくない。
コンビニの登場から40年。
コンビニは流通業界の主役というよりも、もはや、上下水道、電気、ガス、生活道路などといった社会の共通インフラと等しい存在かもしれない。
規模の経済が働くうちは、当面、出店攻勢は続くだろうが、いずれ飽和状態を迎える。
そのときどうするかだ。
日本の流通史における新たな流通革命が起きるかもしれない。
えっ?これで終わりだけど、何か。 トイレじゃなくてコンビニの話だから…。
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林 正寛 | ||