AB型。
2014/07/24 | ||
「ハヤシさんは、間違いなくAB型ね」
これを言い換えると、「ハヤシさんは、間違いなく変り者ね」となる。
血液型別性格診断なる書籍を見ると、書いてある内容は似たり寄ったりであるが、ざっくりいうとAB型は「変り者」というジャンルに分類されている。
私は、生まれてこの方50年、AB型として過ごしてきたが、たいがい当てられる。
私くらい素直でわかりやすい性格の持ち主はいないと自分では思っているのに、ビシッと血液型を当てられてしまうと、「そうか、オレは変り者なんだ」とつい思いこんでしまう。
象は、小象のころから足にロープをかけ、「このロープにはとてもかなわない」という印象をすり込ませおけば、実際には、ロープを引きちぎることができてしまうくらい成長し力が強くなったとしても、大人しくつながれたまま、抵抗することがないという。
私も小象と同じ「すり込みの罠」にかかっているのかもしれない。 あくまでもこれは「罠」だ。
日本人が長年愛してきた「血液型と性格」について、その関連性に科学的根拠はないとする統計学的な解析結果を九州大の講師が発表した。
こんなことをわざわざ発表しなくても、私の記憶では、血液型と性格の関連性について過去、科学的に認められたことなどなかったと思うが…。
そもそも血液型性格分類は、英語名で「Japan Blood Type Theory of Personality」と呼ばれるくらい、日本独特の考え方であり、諸外国ではまったく受け入れられていない。
血液型別の性格なんていうのは、ちょっとしたお遊び感覚で楽しむ程度で十分だと思うが、血液型を人事採用の判断基準にするようなアホな企業が存在から話がややこしくなる。
血液型によって差別を受けたり、人格を否定的に捉えられる例があるそうで、これを「ブラッドタイプ・ハラスメント」というそうだ。
日本は先進的経済大国と思えない、実に料簡の狭いハラスメントだらけで恥ずかしい限りである。
「ハヤシさん、ある血液型別性格診断書で、AB型はこう書かれてありましたよ」
「なんだ…」
「気分屋で、二重人格と言われることもある。クールで計算高く論理的な思考パターンを持つ反面、繊細で傷つきやすく複雑な性格。出世欲など世俗的な欲望は希薄で、精神性が強く、いつまでも夢や希望を追い続ける」
「もし、血液型と性格が科学的に関連付けられるとしたら、AB型を採用するのは勇気がいるよナ。ハハハハ…」
「でも、ハヤシさん、これって…」
「うん、当たってル…」
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林 正寛 | ||