安易な行動。
2014/07/31 | ||
AB型は変り者と言われる。
私も自分自身のことを多少は、ソウカモシレナイと思ったりする。
ただ、案外、普段の発想はシンプルで、悪く言えば思慮が浅いというか、安易というか、自分でもどうしてこんな行動をしてしまったのかと思うようなことがよくある。
昨日の朝、会社に行くのに久しぶりに電車に乗った。
梅田へ向かう電車なので、1駅ごとに乗客は増えてはいくが、だいたい朝の電車は7時30分前後に乗るので、それほど混んではいないし、今は学校が夏休みなので、いつもより空いている。
しばらくして、すぐ近くにいる60過ぎくらいの背の低い脂ぎったオジサンが、前に立っている女性の背後にピッタリとくっついているのに気が付いた。
押し合うほどの混雑ではないので、笑ってしまうほどの不自然さである。意図はすぐにわかるし、女性はあきらかに困惑していた。
「くっつき過ぎだろ。離れろ」
私のこの一言で車両の空気が一変してしまった。
また、やってしまったと思ったが、あとの祭りである。
オジサンは慌てたような表情を一瞬見せたが、「なんやてぇ」と反論してきた。
「わしが何をしたというんや、証拠はあるんか、失礼な奴だな、わしを冤罪に巻き込むつもりか、名誉棄損で訴えてやる…」
― よく喋るナ…。私がやりましたと言っているようなものじゃないか。
「明らかに不自然だろ。疑われたくなければ女性に近づかないことだな。スペースはいくらでもあるんだから」
ここで梅田に電車が到着し、多くの乗客の波に流される(運よく逃げる)ようにして、オジサンは降車していったので、この件はこれで終わった。
家人からは、いくらあなたが正しいと思っていても相手次第では大きなトラブルにもなりかねないので、安易な行動は慎むようにと日ごろから注意を受けている。
― しかしなぁ、見て見ぬ振りもできんしな…。
「危ないところを助けていただいてありがとうございます。お名前をお聞かせください」
気が付かなかったが、女性は石原さとみのような若くて美しい女性である。
「いえ、名乗るようなものではありませんから」
「助けていただいたお礼にせめてお食事でも」
「当然のことをしたまでです。どうかお構いなく」
「それでは私の気がすみません」
「そ、そうですか。そこまで言われるのであれば…」
…んなことあるわけないよナ~。
女性は私に一言もなく去って行った。
余計なお世話だったのでしょうか…。
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林 正寛 | ||