余計なお世話。

余計なお世話。

  2014/07/15  
     
 

取引先の名刺を机上に放置していると違反、家の場所を尋ねられて答えても違反、卒業生から恩師の現在の肩書を聞かれて答えても違反。

 

 

平成17年の個人情報保護法の施行以来、私たちは、個人情報の取り扱いにはかなり神経質になってきた。

 

あれも違反、これも違反と、なんともやりにくい世の中になったものだと思わなくもないが、テーマが「個人」のことだけに神経質にならざるを得ない。

 

それにもかかわらず、施行以来、どれだけの個人情報が漏洩・流出しただろうか。

 

昨日、大阪府警は、府警の巡査部長が約400人分の個人情報を含む捜査書類などが入った手提げかばんを飲食店に置き忘れて紛失したと発表したが、漏洩・流出のパターンは、この手の過失、うっかりミスが圧倒的に多い。

 

ベネッセコーポレーションの事件のように金目当てで意図的に持ち出されたケースはあまり多くないように思うが、気のせいだろうか。

 

私が会社で使っているメールアドレスは名刺に記載されている以外、どこにも公表はしていないのに、ほとんど毎日のように知らない業者から営業のメールが送られてくるけれど、これなんかはどう理解すればいいのだろうか。

 

 

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神経質になってはいるものの、日本は世界でもっとも個人情報に対する対策意識が低い。

 

スマホや携帯電話にパスワードを設定していない人の率は世界で日本が一番高いし、設定していても定期的に変更していない、SNSのプライバシー設定をカスタマイズしていない、同じパスワードを使いまわしているなども日本が確かもっとも多かったように記憶している。

 

このあたりの事情はもはや「国民性」だと折り合いをつけるしかないのだろうか。

 

 

 

川端康成の哀切の恋文が発見されたと話題になっている。

 

川端康成ほどの大物になると、投函されなかった婚約者への手紙がニュースになり、美術館で公開されてしまう。

 

個人情報保護法は、生存する個人に関する情報に限っており、死者に関する情報は保護の対象にならないが、それにしても、投函しなかった手紙など、さっさと捨ててしまえばよかったのに、なんとも迂闊である。

 

もっとも、本人もまさかこんなことになるとは思ってもいなかっただろうが…。

 

 

ちなみに恋文の内容は、「毎日毎日心配でじっとしていられない」、「恋しくって恋しくって、早く会わないと僕は何も手につかない」となかなか激しい。

 

残念ながら、この婚約者とは破局するが、今回は別の書簡も発見されており、今後は二人の破局の真相も明らかになる可能性があるという。

 

 

― 余計なお世話だ。いい加減にしろ!(by川端康成)

 

 

 
  林 正寛  
     
     

株式会社アスキット・プラス

 

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