【コラム】銃砲刀剣類登録証。
2014/05/02 | ||
先日、司法書士の先生の紹介で処理した動産類の中に、日本刀数振りと火縄銃がありました。
高い値がつく代物ではなかったのですが、日本刀はきちんと手入れがなされていたので、刀身は青白い光を放ち、じーっと見ていると吸い込まれそうになります。
火縄銃は、年代的にはかなり古いもので、仕上げはあまり良くありませんが、やはり、何といっても歴史の重みをズシリと感じます。
天正3年の長篠の合戦で、天下無敵の最新兵器として武田勝頼の軍に甚大な被害をもたらした火縄銃も、こうして手に取ってマジマジと眺めると実にシュールだと思わざるを得ません。
ところで、この日本刀と火縄銃のひとつひとつには、「登録証」が付いています。 正確には「銃砲刀剣類登録証」といいますが、クルマの車検証のようなもので、種別の他、刀であれば、長さや反り、目くぎ穴の数、銃であれば、銃身長や口径などを記載し、管轄の教育委員会の確認印が押されています。
この登録証が付いていない銃刀を所持していると不法所持になり、懲役または罰金が科せられてしまいます。
銃刀を購入する際には、登録証が付いていることを必ず確認し、確認印が押印されている管轄の教育委員会へ名義変更の届け出をする必要があります。
また、実家の蔵を整理していたら、奥から登録証のない日本刀が出てきた場合には、まずは、刀を持って所轄の警察署へ行き、「発見届」の手続きをします。
仮に、刀が不要な場合は警察に任意提出して置いて帰ることもできます。
「発見届」が済むと上述した「登録証」の手続きをすることになりますが、これには「審査」を受けて合格する必要があります。
日本刀として美術的な価値が認められたものだけが登録証の発行を受けることができます。
芯まで錆びてしまっているものや、鉄を打ち延ばして刃をつけただけのものなどは登録証は発行されません。
登録手続きをきちんと行い、美術品として楽しむ。 これが銃刀類の正しい扱い方です。
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林 正寛 | ||