【コラム】道路、その種類と所有者。
2013/02/07 | ||
道路の話パート3です。
建築基準法上の道路は、法42条1項1号から5号に定められています。
また、建物を新築するときは、道路の中心線からセットバック(私道負担)して4m以上の幅員を確保することを条件とした法42条2項に規定された道路もあります。
重要なのは、道路が上記の「どの種類の道路」なのか、また、「だれの所有」なのかです。
見た目で判断するのは危険です。
建築基準法上の道路=「公道」ではありません。
「公道」だと思っていた道路でも、調べてみると他人名義であったり、過去に開発・分譲した不動産会社名義のままだったりすることもあります。
反社会勢力に道路の名義が移転され、莫大な通行料を請求されたといった事例も実際にあります。
建築基準法上の道路であっても、「私道」であれば、建物を再建築する際に上下水道管やガス管の引込工事を行う場合、道路所有者からの道路掘削に関する承諾が必要となりますし、場合によっては、承諾の対価を要求される可能性もあります。
「43条但書き道路」と呼ばれる道路があります。
名前からすると建築基準法上の道路のような感じもしますが、これは建築基準法上の道路ではありませんので、原則、建物の再建築は不可です。
「43条但書き道路」とは・・・。
『建築物の敷地は、道路に2m以上接しなければならない。 ただし、その敷地の周囲に広い空き地を有する建築物その他の建設省令で定める基準に適合する建築物で特定行政庁が交通上、安全上、防火上、衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りでない』
これは、あくまでも救済的措置ですし、43条但書き道路としての許可を得るためには、道路に接するすべての権利者の同意が必要ですので、これはこれで至難の業です。
道路に関しては、見た目で判断しないこと、そして、「種類」と「所有者」を確認することです。
不動産の価値を形成するもっとも重要な「道路」。
毎日見慣れているからこそ、そこに落とし穴があります。
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林 正寛 | ||