【コラム】道路、不動産の価値を形成。
2013/02/06 | ||
今回、引渡決済を行った大阪郊外に所在する不動産は、一見、どこにもある一般的な中古戸建住宅です。
建築後、30年を超えており、使用するには一定のリフォームが必要ですが、土地約20坪、建物は木造瓦葺2階建、約27坪、車庫も付いています。
それなのに、今回、この不動産の成約価格は、僅かに100万円ちょっと。
担保権を設定していた債権者にも承認を得たうえでの引渡決済です。
どうしてこんなに価格が低くなったのか。
答えは「道路」です。
見た目は普通の道路ですが、正確には、道路のように見えるただの敷地でしかありません。
つまり、建築基準法上の「道路」に「接道する義務」を満たしていないので、建物の再建築ができません。
建物新築時の業者が違法に建築し、購入者に対しても宅建業者が適法な説明をしていませんでした。
建物の再建築ができないような土地は、有効利用が困難ですから、不動産の価値は大幅に下がります。
「道路」というのは、不動産の価値を形成するもっとも基本的なかつ重要な部分です。
見た目だけで判断するのは大変危険です。
ご自宅が戸建住宅の場合、建築基準法上に定められた「道路」に「適法に接道」しているかどうか、一度、市役所の建築指導課などで確認されてみてはいかがでしょうか。
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林 正寛 | ||