【破産管財】連棟住宅のリスク。
2014/03/04 | ||
破産管財事件の中で鉄骨造の連棟式店舗兼住宅を売却しました。
連棟式建物の構造上のモロさに加え、店舗付き建物としての立地条件、間口の狭さ、店舗と住居の仕様の悪さ、維持管理の悪さ、経年以上の劣化など、たくさんの問題があり、買い手が現れるまで時間を要しました。
そもそも連棟式建物は、戸建住宅にするには道路が有効に取れないなどの理由から、土地を有効に使いかつ建築単価を安く抑えて利益を上げる目的で建てられていますので、道路付けなどの立地条件に制約がある場合が多くあります。
建物が連棟式住宅のための専用通路(幅員4m未満)にしか接していない場合、専有部分単体の建て替えは、建築基準法上の条件を満たさないためできません。
また、道路に問題がないとしても、専有部分単体の建て替えは、隣家との壁を切り離さなければなりませんが、隣家と柱を共有しているような場合、構造上の問題から切り離しは困難です。
切り離しができたとしても、耐久性に問題が生じることもあります。
売却した不動産は、2連棟でしたが、お互いの建物の耐久性を高めるために壁の基礎の部分に共有の杭がいくつか埋設されていて、そのことが解体を困難にさせていました。
仮に解体できたとしても、新築建物は隣家との杭を避けて建てなければならないため、間口が一層狭くなります。また、当然、隣家に対する壁の補修・補償の問題も発生します。
連棟式住宅は戸建住宅に比べると価格的には購入しやすくなっています。
しかし、建て替え不可ともなれば、せっかく土地付であっても資産価値を形成することはできません。
それを避けるためには、まず「道路」を確認すること。そして、壁や柱など構造上、どのように建てられているのかをしっかり確認し、建て替えの可能性を十分検討することです。
連棟式住宅には、たくさんのリスクがあります。 |
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林 正寛 | ||